読書レビュー:コーチングのプロが教える心を動かすリーダーシップ
こんにちは、リードスペースです。
わたしがコーチングに出会ったのは約十年前です。
コーチングはコミュニケーションを円滑にするためのメソッドです。
たかがメソッド、されどメソッド。知っているとの知らないのでは大違いで、さらにいうと少しずつ実践していけば人間関係の視界もクリアになり、晴れ晴れとした気持ちで過ごせるようになります。というか、なりました。
「コーチングのプロが教える心を動かすリーダーシップ」はコーチングにどっぷり浸かるきっかけになった本です。何度も読んでおり、私のバイブルです。
せっかくなのでみなさんにレビューとしてご紹介いたします。
コーチングを実践して会社を立て直した実話
事実は小説より奇なりと言いますが、この本に書かれていることはリアルそのもの。
一介の銀行員だった主人公が、父親が病気で倒れたのを機に倒産寸前の会社の運営を任されます。
たまたま学生の頃家庭教師だった、この本の筆者である鈴木氏にマンツーマンのコーチングを依頼します。
社内政治、反発、裏工作…様々な困難に遭いながらも、リーダーとしてやっていく決意と信念を持って、先の経営陣が築き上げたトップダウン経営からボトムアップ経営を実践していくお話です。
面白いのは、主人公の決断や行動に対して「コーチの視点」というものが設けられてます。
主人公に感情移入しながらも、ある時はコーチの視点に立って客観的に話を読んでいくことができます。
風通しの良い土壌を
スタッフは個々の意見を持っています。もちろん、会社の利益に貢献したいと思っている人もいるでしょう。もちろんそのためのアイデアを持っている人もいます。
ところが、風通しが悪いと「私の意見など聞いてもらえない」「どうせ言っても無駄」というネガティブな気持ちが生まれがちです。
それどころか上層部に不満すら生まれかねません。
意見を聞く、または聞く姿勢を見せ、個々の意見や存在を認めることで全体の士気が上がるのだと実感できます。
政治が組織をダメにする
組織において根回し、裏工作は組織を腐らせる元凶だとこの本を読んで感じてます。
足の引っ張り合いなんて以ての外。いつ足を引っ張られるかヒヤヒヤしていては、モチベーションやパフォーマンスが下がるのは当然といえば当然のことですよね。
組織にはコーチングは必要?
組織に属する上でコーチングは少なからず必要だと思ってます。
誰しもが実践できなくとも一人でも多くの人が意識的にコーチングを実践しようと思えば、クリアになり明るい方向に向かいます。
学習者になるか、批判者になるか
この本にはありませんが、私が大切にしているメソッドが一つあります。
学習者は、困難や問題にぶつかった時、「このミスから何が学べるだろう」「自分にどんなことができるだろう」など学ぶ思考になります。
批判者は、「私のミスさえなければ」「上司が無理難題さえ言わなければ」など、自分や人のせいにします。
人の思考は97%無意識にぐるぐると回っており、育った環境など人によって癖があります。
もともと批判者的思考の人もいれば、学習者的思考が回っている人もいます。
とはいえ、これらの思考はあくまで癖です。
貧乏ゆすりなどと一緒で無意識で気づかないうちにしてしまうものです。
ネガティブな批判者の思考が回り始めたと気づいたら、考えることをやめたり、ポジティブにどうしても切り替わらなけれれば別のことを考えるようにします。
学習者になるか批判者になるかで人は見えているものが変わってきます。その後取る行動も変化があります。
ブレなければリーダーになれる
リーダーだって人間です。時に、落ち込み不安になることがあります。
この本の主人公も 何度も困難に直面します。
絶対に組織を良くするという信念を持ち続ければ、仲間は自ずと着いていきます。それが大きな自信となり、ブレないリーダーになれるのだとこの本が教えてくれます。
さいごに
この本はコーチングのメソッドを詳しく解説しているわけではありませんが、チーム運営に悩んでいる方にはきっと勇気を与えてくれることと思います。
私自身、なんどもなんども、この本やコーチングに救われてきました。
著者:鈴木義幸
出版社:日本実業出版社
管理職の方には、特に読んでいただきたい一冊です。
ご興味のある方はぜひご一読ください。