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UX、HCD、デザイン思考って何が違うんでしょう?

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UX、HCD、デザイン思考って何が違うんでしょう?

こんにちは、カルアカのゆうです。

私はWebを生業としていますが、業界では「UX(ユーザエクスペリエンス)」というキーワードが浸透してきました。
しかし、日本では実務で導入した事例はまだ少なく「UX」というキーワードのみ一人歩きしていると感じています。

その原因のひとつに類似したキーワードが存在することが挙げられます。
そこで、タイトルのキーワードを例に整理してみました。

UX

UX(User Experience)の略。UXデザイン、UXD、UXデザイナーと用います。

UXとは、ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザが真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念である。

引用:UX【 User Experience 】ユーザーエクスペリエンス/e-Words

語源は認知心理学者で元Appleに勤務していたDon Norman博士の考案した造語と言われています。
以下はニールセン・ノーマングループによるUXの定義です。

The Definition of User Experience by DON NORMAN and JAKOB NIELSEN

UXは操作感や使いやすさだけでなく、より包括的な一連の操作から得られる体験を意味する概念と言えます。

HCD

HCD(Human Centered Design)の略。国内では「人間中心設計」と訳されています。HCデザイナーとはいいません。

人間中心設計は、システムを使いやすくすることに特に主眼をおいたインタラクティブシステム開発の一つのアプローチである。それは、ヒューマンファクタ及び人間工学の知識、更に技術を組み合わせた多様な職種に基づいた活動である。ヒューマンファクタ及び人間工学をインタラクティブシステムの設計に適用することによって、効果と効率を向上させ、人間の作業条件を改善し、更には人の健康、安全及び達成度に与える仕様上の悪い影響を緩和することができる。システムの設計に人間工学を適用することは、人の能力、技能、限界及びニーズを考慮することも含んでいる。

引用:HCDの定義/U-Site

HCDは国際規格「ISO 9241-210」で定義されています。そこで定義された人間中心設計活動のプロセスは以下のとおりです。

  1. HCD(人間中心設計)プロセスの計画
  2. 利用者(以下ユーザ)の利用状況の明示
  3. ユーザの要求事項の明示
  4. ユーザの要求事項に対する設計
  5. ユーザの要求事項に対する設計の評価
  6. 必要に応じて2、3、4、5を反復
  7. ユーザの要求事項を満たす

HCDはユーザの要求事項を満たしているかを評価・検証しながら開発を進めることでユーザの使いやすいプロダクトやサービスを設計する考え方です。

デザイン思考

デザイン思考はアメリカのデザインコンサルティングファームIDEO社によって初めてビジネスに応用され、その語源は1987年に建築家と都市計画者が用いる方法とアプローチが記述された文献で「デザイン思考(Design Thinking)」という言葉が用いられたといわれています。

デザイン思考は大きく分けると、顧客を理解するための「問題発見」段階と、顧客にとって最適な解決策を創造する「問題解決」段階の2つから構成されます。
より具体的には1)問題を発見して、2)ユーザーの課題を詳細に描き、3)解決策を探求して、4)解決策を試してみる流れとなります。
これは、途中で間違いに気がついても修正ができない直線的な進め方ではなく、状況に応じてそれぞれのプロセスを行き来することが前提となっています。様々な角度から問題発見と問題解決を繰り返す中で、成果を出すための行動を展開していくのがデザイン思考のプロセスです。

引用:デザイン思考のプロセス/一般社団法人 デザイン思考研究所

デザイン思考で用いられてる「デザイン」は「設計」を指しており、UXデザインやHCDで用いられているデザインと同じ意味を指しています。

まとめ

今回、この記事で紹介したUX、HCD、デザイン思考は多くの共通点があります。
どのキーワードもユーザ(利用者、顧客など)にわかりやすいプロダクト・サービスを提供するための素晴らしい概念やプロセスです。

昨今、これらのキーワードをテーマとした記事やセミナーが数多く存在しますが、大切なことはキーワードに左右されず本質を理解し、実務に応用してユーザにとってわかりやすいプロダクト・サービスを創ることだと思います。

ワカラボでは実務に応用できることをテーマにセミナーや情報発信をしていきます。