UX/UIデザイナーという表現は正しい?
こんにちは、カルアカのゆうです。
今回のタイトルについて様々な意見がありますが、私の意見を述べたいと思います。
前回、UXの定義について記事を書きましたが、振り返ってみましょう。
UXとは、ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザが真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念である。
引用:UX【 User Experience 】ユーザーエクスペリエンス/e-Words
UXは概念であり、UXデザインのプロセスは HCD(人間中心設計)やデザイン思考のプロセスと共通している部分が多くあります。そこで、国際規格「ISO 9241-210」で定義されているHCD(人間中心設計)のプロセスを例にUXデザインとUIデザインの位置づけをまとめてみました。
HCDプロセスにおけるUXデザインとUIデザインの位置づけ
- HCD(人間中心設計)プロセスの計画:UXデザイン
- 利用者(以下ユーザ)の利用状況の明示:UXデザイン
- ユーザの要求事項の明示:UXデザイン
- ユーザの要求事項に対する設計:UIデザイン
- ユーザの要求事項に対する設計の評価:UXデザイン
- 必要に応じて2、3、4、5を反復
- ユーザの要求事項を満たす:UIデザイン
上記の通り、UXデザインとUIデザインは密接な関係がありますが、性質が全く異なります。私はHCD(人間中心設計)の専門家なので、HCDのプロセスでUXデザインとUIデザインをおこなっています。
わかりやすく具体的なプロセスをまとめてみました。
HCDプロセスにおける具体的なUXデザインとUIデザイン
- 調査(リサーチ)・評価の計画(手法、リソース、スケジュール、予算設計など)
- 調査(リサーチ)結果から現状のユーザ利用状況を明示する
- 調査(リサーチ)結果を分析し、ユーザの要求事項を明示する
- 分析結果をもとにアクセシビリティ、ユーザビリティを考慮してプロトタイプを制作する※
- プロトタイプのユーザテスト、ヒューリスティック評価などを実施する※
- 5の結果から2、3、4、5を反復する
- 製品版の制作
※業界によってプロセスが異なります。
まとめ
上記を例にするとUXデザイナーのパートは1、2、3、5でUIデザイナーのパートは4、7にあたります。
これら一連のプロセスを任されている方であれば「UI/UXデザイナー」という表現はありかもしれませんが、UIデザインとUXデザインはそれぞれ奥深く、それぞれにつき一人の専門家がパートを担うことが理想だと思います。
前回の記事の通り、UX、UIというキーワードが一人歩きしていると感じることがしばしばあるので、大切なことはキーワードに左右されず本質を理解し、実務に応用してユーザにとってわかりやすいプロダクト・サービスを創ることだと思います。